米・のこぎり音楽フェスレポート
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 そしていよいよ山の上の大きな木の下のステージでコンテストが始まりました。各自、課題曲「ほたるのひかり」と自由曲を演奏していきます。審査委員はモーガン会長とジョー顧問、デビッドワイズさんの3人。今年はアメリカ、カナダ、ニュージーランド、ヨーロッパ、香港、日本から30名程がエントリーしています。今回最高齢の89歳のアレンさんはなんとも言えない哀愁をおびた音色で皆を魅了。もう73年ものこぎりを演奏されていて、つい先日CDをリリースされました。18歳のキャロラインさんはバイオリンを学ぶかわいい学生さん。アコースティックのバンドをやっている若い人や、娘さんとお孫さんと一緒に来られたおばあさんもソロエントリー。もちろん我らが日本チームもがんばりましたよ。改めて様々な奏者の演奏を聴き、その独特に違う音色に引き込まれました。G線上のアリアやタイタニックのテーマなど、のこぎりにはゆったりした曲が合うので、ほとんどの奏者がスローな耳なじみの曲を選びますが、僕は、モンティのチャールダーシュを演奏しました。テンポのある曲もいいものです。借りたのこぎりだったんですが、思った以上にノって弾けました。演奏中、蒸気機関車の汽笛も鳴りまくっていましたが、まあともかく無事、コンテストも終了しました。
 コンテストの後は、ステージで皆の演奏です。吉岡さんはテルミンを披露。チャーリー爺さんのお孫さんのケンさんのカントリーバンドや、鼻が自慢のヘッジとバイオリンのお姉さんのデュオ、デビッドワイズさんの素晴らしい演奏も聴けました。その他、ソロ演奏や、バンド、楽しいステージが続く中、モーガン会長に呼ばれ、「ハヂメ、グランプリだ」とそっと告げられました。やった!!
 そして表彰式があり、その後、いよいよ僕達「サキタハヂメとSAW HAPPY」の出番です。今回僕らのステージ衣装は「新撰組のハッピ」。あのブルーのやつです。あのハッピ、のこぎりの歯みたいなギザギザ模様なんですよ。ご存じですか?これ、のこぎり奏者なら面白がってくれるだろうなと思って衣装にしたんです。結果はばっちり。皆、大喜びです。元気な演奏を心がけ、今回も大いに盛り上げました。終わってから、また皆が話しかけて来てくれて、会場中の皆と仲良くなりました。ハッピはアメリカの奏者にプレゼントしてきました。外国人のほうが似合う・・・。
 コンテスト後、審査員の3人とセッションしたり、モーガン会長といろいろ話をしました。とにかく、今、アメリカに負けない程、日本ののこぎり奏者も熱くなっている。僕もまだまだがんばるから!と伝えました。とても喜んでくれて、固い握手を交わしました、帰り際の駐車場で、とても動くとは思えないクラシックな車を見つけはしゃいでいたら、それは89歳のアレンさんの車でした。それに乗って来たって!!動くの?!とびっくり。アレンさんにも「また会いましょう!」と言ったら、昔話が始まり、随分長い事聞いていました。今回も楽しかった、のこぎりフェスティバル。カリフォルニアの夕暮れをバックに会場を後にしました。11月12日の日本のフェスもこれに負けないようにいいものにしよう!決意を新たにしました。
 そして次の日、サンフランシスコ空港に僕ののこぎりが届きました。


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