さようなら、ありがとう花岡小学校
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ひょんな事からお友達になった、全校生徒9人の北海道の花岡小学校のみんなと関西在住の僕達はじめにきよし。音楽がつないでくれた心の交流のレポートです。  

'04 2/28 再び北海道に向けて旅立ったはじめにきよし。
 マイナス20℃!とも聞いていた2月の北海道の気温も、大阪空港でのアナウンスによると今日はマイナス5℃らしい(それでも僕らにとっては充分寒いけど)。マイナス20℃の中での演奏って、一体どうなってしまうのだろうとドキドキワクワクしていただけに、ほっとしたような、少しがっかりしたような。さあ、とにかく始まりました、2度目の北海道ツアー。そしていよいよ明日は花岡小学校が93年の歴史に幕を下ろす日。ついにこの日が来てしまうのです。
 僕達はじめにきよしと花岡小学校との関係は2年前(’02年)の6月に遡ります。ある日、事務所に1本のメールが届きました。それは北海道勇払郡(ゆうふつぐん)鵡川(むかわ)町の花岡小学校のM先生からでした。内容は、僕達が担当したNHKの小学3年生の理科「ふしぎいっぱい」のテーマソング「子供の不思議」を生徒さん達が気に入ってくれたらしく「どうしてもみんなで演奏したいから楽譜が欲しいんです!」との事でした。聞けば花岡小学校は全校生徒が9人の山の中の小学校なのだとか。僕らの音楽を気に入って遠い地からわざわざ連絡をしてきてくれた事に驚き、また嬉しく思いましたが、何せ「はじめにきよし楽譜集」なんて出版していませんから初めはお断りしようかとも思っていました。でもせっかく「どうしても欲しい!」って言ってくれているのだし、僕らがレコーディングで使った手描きの譜面でいいのならばと、それをそのままコピーしてお送りしたのです。花岡小のみんなはとても喜んでくれて、その後も「みんなで練習を始めました。送っていただいた譜面は額に入れて飾ってあります」とか「北海道ではもう雪がちらつき初めました」など、遠い北の地からの楽しい便りをしばしば耳にするようになりました。しかし少し後になって分かった事なのですが、児童数が減少しつづけている花岡小学校は町の大きな小学校との統合が決まり、’04年の春で93年の歴史に幕を閉じ閉校になってしまう運命だったのです。93年と言えば今の花岡の子ども達からすれば、お兄ちゃん、お父さん、おじいちゃん、もしかしたらひいじいちゃんまで通った子もいるであろう程の長い年月。その大切な母校が無くなってしまう・・。「せっかく音楽を通じて知り合ったのに何だか寂しい話やね」と ”花岡小学校”はメンバー&スタッフの心に何か引っかかる存在になっていったのです。


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